2012年4月22日日曜日

光で育む。 [ウシオ電機株式会社]


皆さんは、レタスの旬をご存知ですか? いま、私たちの食卓には季節を問わず、バラエティ豊かな野菜や果物が並んでいます。1970年代以降、農業は露地栽培からハウスなどの施設園芸へと発展することで、「年間を通して生鮮野菜が食べたい」というニーズに応えてきました。
そして今、そのニーズは「予防医療」へと進化し、医食同源の実現に向けた「植物工場」への取り組みが本格化しています。ちなみに、レタス本来の旬は春と秋です。

食のニーズの変化

1970年代以降、日本人の食事は、カロリーや鉄分、ビタミンなどの基本的な栄養素を摂取するためのものから、より美味しいものを食べ、暮らしを豊かにするものへと変化してきました。
特定の季節にしか栽培できず、鮮度の問題から輸入が難しい生鮮野菜を、年間を通して食べたい、という要求もそのひとつです。このニーズは、1970年代以降、外食産業を中心に広まり、いまではトマト、キュウリ、パプリカなどは、その約80%が施設園芸でつくられ、季節を問わずさまざまな生鮮野菜が手に入るようになりました。

農業形態の変化

農業ではかなり以前から、果菜類などを中心に、本来生産できない地域や季節でも、コンスタントに効率よく農作物を生産するための研究が盛んに行なわれてきました。自然環境の中で天候に左右されながら培われてきた、長年の経験と勘による農業を、ハイテク機器と環境制御による、サイエンスにもとづく施設園芸へと発展させることで、消費者のニーズに応えてきたのです。そしていま、それをさらに発展させ、人工光による「植物工場」とともに、食を予防医療のひとつと捉え、抗生物質やワクチンなどの機能を持ち合わせた「機能性野菜」の研究が本格化してきています。


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機能性野菜と医食同源

トマトのリコピン、お茶のカテキン、ブルーベリーのアントシアニンなどは体に良い成分として知られています。現在も次々と新しい成分が発見されており、例えば小松菜やホウレンソウに多く含まれるルティンは、高い抗酸化作用を持ち、白内障や加齢黄斑変性などの眼病予防として注目されています。
さらに現在、遺伝子組み換えなどの基礎研究では、例えばお米の中にインフルエンザワクチンなどの成分をつくることで、注射を使用しない「食べるワクチン」の研究も進んでいます。
この医食同源ともいえる農作物は、乳児や老人でも安全に摂取できること、衛生状態の悪い地域で注射器を使用しないで済むこと、それを応用し、家畜のエサに混ぜることで、感染病などの被害を防ぐことが期待されています。

光と植物工場

このような機能性野菜をつくるために必要なのが、天候や環境、地域特性に左右されない育成環境です。完全人工型の植物工場は、「害虫や病原菌の侵入を防ぐことができるため農薬を使用する必要がない」、「収穫量や時期を確実に予測できる」、「最小限の水と肥料で済む」、それにより「農作物が安定供給できる」、というメリットがあります。
また、温度、湿度、気流、CO2濃度などの諸条件を人為的に制御することで、農作物が持つ特性を安定的かつ任意にコントロールし、さまざまな特性や機能を持たせるという、プラスαをつくり出すことができます。そのプラスαを決定づける最も重要な要素が、植物とは切っても切り離せない「光」なのです。

ユーザーインタビュー

千葉大学教授 農学博士 
後藤英司先生


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私は光と植物の関係について研究をしていますが、植物育成において最も重要なポイントは、「光」だということが分かってきました。いずれは機能性植物について、例えば「310nmの波長をどの程度照射すると、モロヘイヤはポリフェノールの一種であるクロロゲンをどのくらいつくるのか」といったようなことを、きちんとまとめたいと思っています。ピンポイントの波長が出せるLEDは、研究に非常に有利です。ところが稲の生育には、一般的な照明の10倍の強度を実現しなければならず、発熱量も大きくなってしまいます。今回ウシオライティングさんに開発を依頼した稲の生育に用いるLEDユニットはLED素子の数が少なく、高度な排熱処理システムを搭載してもらっています。この開発の成功により、農業だけではなく、第一次産業全 般でのLED利用が加速されることを大いに期待しています。

農作物だけではなく、生物が生きていくために絶対欠かせない「光」。
私たちはその効用を当たり前のように享受していますが、光には、まだまだ知られていないことがたくさんあります。

植物は光を「見る」?

春になったら発芽する、夏にグングン成長し、花をつけ、秋に実がなる…このタイミングを、植物はどのように見極めているのでしょうか? 温度や湿度など、さまざまな環境条件がある中、最も影響を及ぼしているのが光の「波長」や「日照時間」です。
発芽のために必要なのは赤色光、成長(=光合成)するためには赤色光+青色光、日照時間が長く、赤色光がさらに多い季節になれば花を咲かせ、赤色光+青色光によって実をつけ、そして、より栄養素を高めるためには紫外光と、その成長タイミングは、季節ごとの波長や日照時間の変化と見事に一致しています。
植物には、波長と日照時間を検知する「目」があり、自らの成長のタイミングを見極めているのです。

植物育成とウシオの光

世界で初めて、人工光による穀類の栽培を可能にした 「多光量型LEDユニット」と実験中の稲


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この「目」を上手く利用することで、意図的に植物を育成することができます。例えば光合成では、植物内にあるクロロフィルが400~700nmの光によって糖をつくり出し、その量は光の強度とほぼ比例することが分かっています。このように、成長段階に応じて任意の波長を照射することで、植物の成長時期や、含まれる栄養素をコントロールすることができ「機能性野菜」をつくり出すことが可能になるのです。
そのひとつが「食べるワクチン」としてのお米です。どのタイミングで、どの波長を、どのくらいの時間照射すれば、どのような成分を生成するのか? …これまで、他の光源も含めて取り組まれてきたこの研究を、LEDによって推進するため、ウシオは千葉大学と共同で、「多光量型LEDユニット」を開発し、世界で初めて人工光による穀類の栽培を可能にしました。これは、植物の光合成を促進させる波長660nmの赤色LEDと、形態形成作用に効果のある青色LEDに独自の排熱技術、LED素子の実装技術、光学設計技術を組み合わせたものです。特定の波長を出すLEDは、光が植物に与える影響を波長毎に調べるには非常に効率がよく、千葉大学ではすでに、このLEDユニットによる実験栽培に取り組んでいます。

※穀類用としては世界初(2010年10月末時点)。

雑草 VS 紫外線

世界で初めて、紫外線の発光波長が選択できる 水銀レス光源「UV-XEFL®」


一方で、植物の成長を意図的に阻害する光の研究も進められています。これまでの雑草駆除は、除草剤か人手による作業しかありませんでした。しかし、現在の除草剤は安全とはいえ、生態系への影響が少なからず懸念されています。また、公園や道路、鉄道などといった除草剤の散布に不向きな場所も多く、人手による除草コストは地方自治体や企業の大きな負担になっています。これに対する解決策が、紫外線を使った「防草」です。
植物は、葉緑素が光のエネルギーをATP(アデノシン三リン酸)にかえる光合成によって成長します。そのとき、赤色光であれば植物は利用できる量だけ取り込むのですが、通常地上に到達しないタイプの紫外線が入ると、光エネルギーが酸素と結合して活性酸素となり、植物は酸化して枯れていきます。宇都宮大学では、ウシオの水銀レス光源「UV-XEFL®」を使用し、紫外線を短時間照射することで、蔓が巻きつくことを止めたり、花の開花や受粉を妨げることで、成長や繁殖を防ぐ研究が進められています。

ウシオの挑戦

このように、光にはまだまだ大きな未知の領域が残されており、その活用方法は農業だけにとどまりません。ウシオは、これまで半導体や液晶、電子部品などの産業分野で培ってきた光技術をベースに、大気汚染や水汚染問題、光治療や光診断、新エネルギー開発などへの応用を進めています。この地球規模の課題を光のイノベーションで解決する、これからの「ウシオの光」に、どうぞご期待ください。

ユーザーインタビュー

宇都宮大学教授 農学博士 
小笠原勝先生


トマトのビニルハウスの周りに多く繁殖しているスギナは、どんな除草剤でも防除できない、最も厄介な雑草
のひとつです。今回ウシオさんにつくってもらったUV装置で、20種類くらいの雑草がどういう影響を受けるのかを実験しているのですが、スギナがあまり育たず、大成功です。今後は、ウシオさんと共同で、短時間で効果があり、なるべく消費電力量も少なく、太陽光発電などを利用することで、特別なパワーユニットも不要な装置を開発していきたいですね。雑草の研究はヨーロッパやアメリカでは盛んに行なわれているものの、光を活用するという発想はまずなく、私たちは、雑草制御の最先端を目指したいと思っています。



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